アジア初!台湾で同性婚が合法になった日
2019年5月17日
この日付、何の日だかわかりますか?
(https://twitter.com/iingwen)
中華民国総統(台湾のトップ) 蔡英文(ツァイ・インウェン)のツイートより
そう!!!!
アジア初の快挙、台湾で同性婚が法律で認められた
記念すべき日!
欧米諸国に比べて、アジアではまだまだLGBTQ+の認知度が低く、残念ながら偏見も多いです・・・。
日本も例外ではなく、若い人でもLGBTQ+の存在を知らない、理解が浅い人も多いのが現状。
台湾は、日本から地理的にも歴史的にも近く、このニュースは日本にとっても大きな影響を与えたはず!!
といっても日本ではあまり大々的に報道されていませんが・・・。
(LINEニュースの片隅にあるくらい)
今回のブログは、台湾で同性婚が法律で認められたニュースについて、
台湾の法律のしくみを知らない人でも
わかりやすいように、難しい言葉を極力つかわず、どこよりも簡単にまとめました!
ここがポイント!!
従来の男女間の婚姻のための法律を改定したのではなく、同性婚用に新たに立法。
「同性パートナーシップ婚姻制度」が可決された!
もくじ
台湾で同性婚が法的に認められるまで
1.憲法解釈が行われた
2.公民投票(国民投票)が行われた
3.同性パートナーシップ婚姻制度(特別法案)が
可決された
台湾と日本の同性愛の扱われ方の違い
台湾で同性婚が法的に認められるまで
ざっくりと、台湾がたどってきた道のりをまとめてみました。
それぞれの手順をくわしく見ていきましょう!
2017年5月24日
1.憲法解釈が行われた
この頃、すでに同性婚の合法化に向けて、運動が高まっていた台湾。
憲法解釈の場で、
同性婚が認められていないことは、憲法に違反している。と判断された。
(憲法が保障する法の下の平等や結婚の自由に反するため)
ここで「台湾政府は2年以内(2019年5月24日まで)にいずれかの措置を取る必要がある」と言い渡されたのです。
措置とは、以下の2つから。
・民法を改正する(従来の男女間で適応されていた法律を同性間にも適応させる)
OR
・新法をつくる
2018年11月24日
2.公民投票(国民投票)が行われた
台湾では、一定数以上の署名が集まった場合に国民投票を実施することができます。
同性婚反対派案
「あなたは民法の婚姻規定が男女カップルに限定されるべきという考えに同意しますか」
賛成765万人・反対290万人
→つまり同性婚反対が多い!!
同性婚賛成派案
「わたしは民法において同性カップルが婚姻関係を築くことを支持します」
賛成330万人・反対690万人
→つまり同性婚反対派が多い!!
同性婚の合法化に向けて国民の意識が高まっていると思われていましたが
実際ふたを開けてみるとこのような状態。
投票の結果を受け、民法を改正して従来の法律を同性婚にも適用するのは難しいかも・・・となり、
民法を改正するのではなく、新たにパートナーシップ制度という特別法を
導入する方向へと舵を切った。
2019年5月17日
3.同性パートナーシップ婚姻制度(特別法案)が可決された
そしてこの日、長年待ち望まれていた同性婚の合法化は現実のものとなったのです!!
認められた権利
・結婚登録
・相続権
・財産権
・お互いの扶養義務
認められていない権利
(通常の婚姻関係で認められているが同性パートナーシップ婚姻制度では認められていない権利)
・パートナーのどちらとも血縁関係にない養子をとること
(パートナーのどちらかと血縁関係にある場合のみ養子をとることは可能)
・パートナーが同性婚の認められていない国の人だった場合に婚姻関係を結べない
(仮に台湾人×日本人のカップルの場合、日本の法律で同性婚が認められていないので婚姻関係を結べない・・・)
実は、同性パートナーシップ婚姻制度は、完全に異性間の婚約と同等の権利が認められたわけではない。
そのため、差別ではないのか?という疑問の声も上がっています・・・
完全な“平等”に向けて、まだまだ課題点がたくさんありますね!
台湾と日本の同性愛の扱われ方の違い
アジアの中でもLGBTQ+について理解の進んでいる台湾とまだまだ偏見の多い日本。
どのように対応の差があるのでしょうか。
2つの例を挙げて見ていきましょう!
ではまず、台湾の憲法裁判所の意見を紹介!
同性愛を法的に認めた台湾の大法官(憲法裁判所)の意見(一部抜粋)
「台湾の民法の婚姻規定では子供をつくることを婚姻の条件としておらず、ゆえに同性カップルのように自然な妊娠で子どもを授かることができなくとも、婚姻の条件を欠くことには至らない。」
個人的にも、この意見は、婚姻規定を冷静に分析した、納得のできるものだと思います。
一方、日本では
2018年、
自民党の杉田水脈衆議院議員(比例・中国ブロック)がこんな発言をしたニュースが話題になりました。
「例えば、子育て支援や子供ができないカップルへの不妊治療に税金を使うのであれば、少子化対策のためにお金を使うという大義名分があります。しかし、LGBTのカップルのために税金を使うことに賛同が得られるものでしょうか。彼ら彼女らは子供を作らない、つまり『生産性』がないのです。そこに税金を投入することが果たしていいのかどうか」
(「新潮45」(P58~59)2018年8月号(新潮社)「日本を不幸にする『朝日新聞』」より)
この発言は同性愛者を全般的に批判しているだけではなく、カップルは子供を作らなければ価値がないという意味合いにもとれるということで、大きな波紋を呼んだ。
杉田議員は世間からもかなりバッシングに遭ったとはいえ、
このような発言ができてしまう政治家が存在するという事実に、
考え方の差を感じざるを得ませんね・・・。
そもそも、現在の日本では、男女カップル間でも、子供を作らずとも婚姻関係は成立しています。
これは台湾でも日本でも同じこと。
落ち着いて冷静に考えれば、同性婚を法的に認めるというこの変革が、保守派(同性婚を認めない)にとっては何も実質的な影響はありません。
保守派にとっては、何か新しく珍奇なものを認めてしまうと、自分たちの立場が脅かされる気がするのでしょうか。
実際には自分たちが下駄を履かされていただけなのです。
同性愛者にも、自分たちと同じように下駄をはかせてあげればいいのです。
どうして自分と違う立場(同性愛)の人間の権利を奪うことができるのでしょう・・・
今回も最後までブログ読んでくださってありがとうございました!!
参考文献はこちら
BuzzFeed(https://www.buzzfeed.com/jp/saoriibuki/lgbt-sugita-mio)
News from nowhere(https://1ovely.com/taiwan-gay/)
BBC news(https://www.bbc.com/japanese/48305927)
HUFFPOST(https://www.huffingtonpost.jp/2017/05/24/taiwan-same-sex-marriage_n_16780436.html)
コメント
コメントを投稿